悠々-杉黒芯


組子ベッド(悠々)杉黒芯
画像 :シングル(重さ42Kg)

組子ベッドは特許商品です。  <特許 第4044948号>  

 


組子ベッド(悠々)杉黒芯

悠々(杉黒芯)   :   シングル    \368,000(税込)  

W1060xL2110xD650 / 床高330  : 床面サイズ W1020xL1990

スノコ上に組子を敷くことにより、布団との接地面が少なくなり、布団がカビにくく、布団本来の 機能を十分に引き出すことができます。本製品は、抗菌作用の高い杉の黒芯を用い、飯糊で作った天然素材接着剤、 釘は木釘、塗装は天然柿渋塗料とすべて国産の天然素材を用いました。 化学物質過敏症、また、電磁波過敏症の方にもお薦めできるベッドです。
(但し、個人差はあります)

 

 

・構造 床部(杉のすのこ+杉の組子)、くさび止め平ほぞ継ぎ
・材質 国産杉の黒芯を低温乾燥した特殊な材(”愛工房”にて乾燥したもの)
・加工構造  接合部分はホゾ組にし、さらに丸棒(10㎜径)で固定
・接着剤 天然接着剤 餅米(国産)+唐辛子(国産)
・木釘 ミズキ(国産)
・仕上 天然柿渋塗料(国産)
・重さ 約40kg
・組み立て時間 一人で3分(工具不要)
・お手入れ方法 時々乾いた布で拭いていただけば艶がでて長くお使いいただけます

シングルのみの受注生産です。

【本体サイズ】 W1060×L2110×H650

【床面サイズ】 W1020×L1990

 

¥368000(税込)


悠々-杉黒芯

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受注生産/送料:別途

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「樹と人に無駄な年輪はなかった」伊藤 好則 (著)
三五館 (2012/4/21発行)p157に紹介されてます

 

 

「奇跡の杉」船瀬 俊介 (著) 三五館(2009/10/21発行)
p138~149に組子ベッド(杉黒芯)を開発したきっかけや、
お客様とやり取りしたことが紹介されてます


桐屋が、なぜ杉で作ったのか?

この組子ベッドがどうしてできたのか?桐屋が、なぜ杉で作ったのか?と疑問の方もあるかと思いますので、長い長い、開発経緯をご紹介致します。

それは、Mふとん店さんの一本の電話から始まった。「いま、お客様が来てあるんですけど、輸入する際コンテナは消毒しますか?と言われてますが、私では分かりません。替わりますから説明してあげて下さい」と。消毒??コンテナ??

お話はこうです。中国桐ということですが、他の材料は、コンテナで入ってきたら、すべて薫蒸消毒するのですが、中国桐はどうですか?ということでした。中国桐は丸太ではなく板で仕入れており、虫は桐が嫌なので消毒はありませんよ、とお答しました。 安心されたのか、組子ベッド・あんばい(桐)のシングルをお買い求めになりました。

その後、Mふとん店さんから、そのお客様は、組子をハズし、そこに杉の板を乗せて使ってあるということをお聞きしました。組子ベッド、本来の使い方ではありません。組子ベッドは、組子があることによって布団の湿気を逃がし、布団本来の機能が引き出せるというもの。杉板を敷かれたということであれば、もっと説明せにゃと思いました。

まず、組子ベッドは、国が定めるところの有害物質を使ってないという説明。 接着剤はノンホルマリン。焼桐に塗っているは、学校の木製食器にも使われている食品衛生法をクリアーしたもの、ですと。しかし、お客様は、なんか変なものを感じるとおっしゃる。

それで分かったのが、化学物質過敏症。しかも、電磁波過敏症であること。電話応対されるご主人はあまり感じないそうですが、奥様とお子様が超過敏。

なんでそうなったかと言えば、新居建ててから、すぐに頭痛、はきけがして、これはひょっとしてと、システムキッチンを撤去、それと壁を取り払ったら、多少 よくなったので、自分たちが化学物質過敏症ということを認識したと言われました。化学物質過敏症の方は、電磁波過敏症も持ちあわせてあり、金属類にも敏感 に反応しますと言われました。
組子ベッドには、針のような極細の釘を、スノコの受けサン、スノコ等に使っているのですが、すぐに分かられたのでした。じゃと、スノコとフレームを、木釘で留めたものと交換しましたが、まだなんかヘンとおっしゃる。

そうこう、やり取りしてましたら、もう一台欲しいと。余所のベッドはことごとくダメでしたが、お宅のは、まあまあいいから、って。確認をしました。また、杉の板を敷くのですか?って。「はい」、ってご返事されました。
そこでメーカー根性がメラメラと。折角ですから、時間かかると思いますが、ご納得行くものを作りましょう、て答えました。注文を断ったのです。

何かヘンなものを感じると言われるものを排除することに。まず最初にやったのが、焼き桐に塗っている塗料。30種以上の塗料、柿渋等の自然塗料、ヨーロッ パで有名な化学物質0の塗料など桐板に塗ったものを、テストしてもらいました。しかし、1週間くらいはいいと言われていたものも、1ヶ月経つとダメでした と全滅。

私らが、テストサンプルの板を送る際に、ビニールで包み、ダンボールで梱包するのですが、お客様は届いても、そのまま家に入れず外で開梱して、数日外で陰 干してからでないと、ビニールとかダンボールについている化学物質がサンプル材についてて、頭が痛くなるとおっしゃる。

いろいろ塗ってはことごとくダメでしたので、それではと、まったく無塗装で中国桐の板、そのものを送くりました。しかし、それもダメとおっしゃる。それが ダメということであれば、植林の桐材なので、それの肥料しか考えられない。その肥料の化学物質が桐が育つ時に吸い上げ、それに反応されているとしか考えら れない。お客様は、1万分の1、いや、100万分の1の微量の化学物質でも、反応されると思いました。


それで、桐という材を断念しました。お客様がいいと言われる、杉板のサンプルを送ってもらいました。いままでにみたことない杉の黒芯でした。香りもいい、見た目もきれい。それで、杉の黒芯を調べまくりました。それで分かったことは、建築材としての杉は、白い程値打ちがあり、黒い部分は下のランク。油が多く、乾燥も難しく遅い。それで、家の床下の土台部分や、船底に使われている。しかし、抗菌作用がヒノキより高いということには、興味をひいた。

杉なら、うちから東に直線で50kmほどにある日田市が杉の産地でもあり、早速、そちらに行って話を聞いてみたところ、"黒芯"といったら失笑されてしまいました。それくらい、杉の黒芯は、評価が低いのでした。

それで、お客様が気に入っているという、木材製造元に電話してみました。そしたら、杉を低温乾燥するという特殊な方法で、黒芯から水分を抜き取り乾燥させ ているとか。超音波や電気ですかと、言ったところ、そういう木がいやがることはやりませんよ、と言われました。黒芯は、含水率(木の水分)を下げるのが凄 く難しい材だが、当社では、特殊な方法で、黒芯から水分を抜くことができる。しかも、数日で完了するとのこと。また、乾燥が終わり際の装置内には、体を病 んだ人、気功師、お医者さんまでが、気持ちがよくなると、その日を選んでこられることもある、と言われました。





お客様も言われていたが、波動(よく分からないが)が、杉の黒芯は高いと、言われてましたので、何か、説明できない不思議な力をもっているようです。杉の 黒芯の抗菌作用が、多少の化学物質も分解しているとも思われます。"桐"という材には、そのような能力は備わっていないのでした。

それで、材は杉の黒芯で、となったが、次にどう作るかが問題。 ノンホルマリンの接着剤ではダメ、金属類もダメ。 金属に関しては、桐たんすに使う木釘がある。この点は、問題ではない。 では接着剤は?化学物質がないと言えば、飯糊かニカワとなるが、どちらも一長一短。 いっそのこと、接着剤なしで作ろうと思ったりもした。何度か図面引いてみたけど、納得できない。それで、伝統工芸館や、昔の資料館などをみて回り多少のヒ ントを掴んできた。

椅子を作るにしても、ほぞ組してあっても接着剤は使ってある。それは、動かし始めを押さえる為に必要不可欠のようだ。おひつなどでに使う、曲げわっぱです ら、曲げたところを止めるところに、膠とかの接着剤で止めてから桜の皮で止めるということをしてある。組子ベッドのデザインを変え、接着剤なしで作ること は可能ではあるが、それは建築と同じように現場でホゾやクサビを細かく調整してやる必要がでてくる。それも、保守点検として木が落ち着くまでは、数年掛け る必要がででくる。私が目指したものは、お客様自身で組立分解ができるようにすることでした。

それで、接着剤を見直しました。まず、自然素材接着剤というものがないか調べてみましたら、地元でそういうものを作っているところがありました。早速、取り寄せてみましたが、飯糊+貝殻で作ってありました。

ニカワはそれだけでは、固まったら、コチコチでポロポロとなるので強度がでず、昔は、片面にホルマリンを塗って圧着していたのでした。ホルマリンは化学物質で当然ダメ。また、ニカワは湯煎の必要があり取扱が面倒ということでボツに。

飯糊は、私の子供の頃はありましたが、虫が付きにくいように、尿素をまぜてありました。桐たんすでも、昔のものを再生(洗い・リフォーム)していると時々、虫が食ったものがありますが、飯糊の接着剤を食い散らかしているのでした。

飯糊に虫が付かない方法は??それで自然なもので虫が付きにくいものを探しましたところ、唐辛子にたどりつきました。飯糊+唐辛子です。

飯糊は、昔は米を、うどん粉を練るように棒でコネテ作ってましたが、ベッド一台でも結構な量の飯糊がいるので、餅付き器で作れないかと、テストしてみたと ころ、米では、どうしても餅のようにならず、柔いおかゆ状、しかも、ところどころに固まりが残るというものしかできませんでした。やはり餅付き器には、餅 米と、やってみたら、きれいな餅の形に、それに適当に粉末の唐辛子を混ぜたら、橙色の接着剤ができました。


それを板に塗ってテストしてみたところ強力でした。特に初期接着力はボンドより強力。一晩して、飯糊+唐辛子の接着剤のはみ出た部分を触ったところ、プラ スチックのようにコチコチ。辛い~~香りもする。なめてみても当然辛い。食べれる自然素材の接着剤の完成でした。お客様に、杉の黒芯を、この接着剤で接着 したものを試してもらったところ、辛さを感じるが、へんなものは感じないと言われ、これだ!!と確信しました。

多少あまったので、冷蔵庫に保管しておいたら、一週間で腐ってしまいました。 市販されていた、飯糊+貝殻?のものは、常温でも腐りもしない。天然素材ではおかしな話で、防腐剤とか入っている可能性は大。

接着剤は、飯糊+唐辛子に決まったら、従来の組子ベッドと同じでいいということになる。レッツゴーである。方向性はきっちり決まった。杉の黒芯に飯糊+唐辛子での組子ベッドである。

製造上面倒なのは接着剤。いままでボンドで済んできたところが、すべて替るのです。しかも、大量に作って余ったら、数日で腐ってしまうので、必要分その都 度作るという手間。杉板を横接着して広い板を作ること。木口部分が接着剤の吸い込みが大きく、濃度を平板と木口では違わせる必要があること等です。ちょっ と外れたところなど、ボンドを使いたいところですが、微量でもそういうのを使ったら、化学物質過敏症の方には、すぐ分かってしまう。ちょっとの接着剤で、 すべてが台無しにならないように、飯糊+唐辛子、以外の接着剤は、一切使わないように徹底しました。

金釘も一切ありません。桐たんすに使う木釘を用いました。この木釘は、ミズキ材で、最高級なこけしなどに使われるものです。木釘を使うことにより電磁波過敏症の原因を取り除きました。

また、無塗装としました。塗料をいろいろ塗ると、やはり化学物質過敏症の方は敏感で、それで症状がでたりするのです。それで、お手入れは、床柱を磨くよう に、昔ながらの方法で、米ぬか、米のとぎ汁、大根おろし、豆乳などで拭くということを、各自でやっていただくことにしました。

完成したものは、組子ベッド"あんばい"の桐材を、国産の杉の黒芯、、接着剤は飯糊+唐辛子、金属釘でなく木釘、そして無塗装ということになった次第です。

お届けして、数日でその効果を実感していただいたようで、いままでで最高のベッド、日本初ですね、と賞賛していただきました。また、組子を敷くことにより、さらに気持ちがいいのに驚かれました。杉の黒芯の体積での影響だけでなく、組子を敷くことによって、さらにいい効果がでていると言われました。私が注文を断って8ヶ月。お客様も諦めずによく辛抱された結果と思います。

化学物質過敏症、電磁波過敏症は、現在は、まれな方のまれな症状と言われてますが、花粉症だって10年ほど前は、ほとんどの方がご存じなかったのが、いまでは知らない人はいないという状況。いつ何時に、自分が化学物質過敏症、電磁波過敏症になるかも知れないし、いや、もうなっているのに、気づかないだけかも知れないと思うのです。

私らの製品、杉の黒芯での組子ベッドが、そういう方に、少しでもお役に立て、健康で、そして心地よい睡眠をされることに繋がれば幸いだと思います。


製造元(株)総桐箪笥和光
      代表取締役